そもそも『おせっかい』を面接やESで長所にすることは評価が良くない?
マイナスイメージにも思われがちな『おせっかい』を就活の場で話す際に、以下のような疑問が出てくると思います。
- 長所として話してもいいものか?
- 何か別の言葉で言い換えた方が良いのだろうか?
『おせっかい』に限らずですが、人の性格というのはすべて表裏一体で見方次第・言葉次第です。
『おせっかい』という性格も例えば、『世話好き』と良い意味で言えます。一方で悪く言えば『余計なことに首を突っ込む』ということにもなります。
このように見方と言葉次第で長所にも短所にも変わるものですから、『おせっかい』に限らず、伝え方次第でどんな性格も長所としてアピール可能です。
しかし、今度は『おせっかい』を長所としてアピールする際にも次のような疑問が出てきます。
- どうやって伝えていけば良い印象を与えられるのか?
- もしくは、どんな伝え方をすると悪い印象を与えてしまうのか?
そこで、この記事では面接やESで『おせっかい』を長所としてアピールする際にどうやって伝えればいいのか?について、紹介していきます。
これはNG?『おせっかい』を長所や強みにする時のダメな答え方
先ず面接やESで『おせっかい』が悪いイメージを与えてしまう伝え方を紹介していきます。
長所として話したつもりが、人事の方に短所と思われてしまうような伝え方だったり、気づかぬうちに自己満足になってしまう伝え方もありますので、事前に確認しておきましょう。
次に挙げる3つの例のような伝え方を避けるだけでも、面接やESの通過率が一気に上がります。
~『おせっかい』を長所にするときのダメな答え方の一例~
①自己犠牲を伴う『おせっかい』をアピールしてしまう
Q.あなたの長所を教えてください。
A.私の長所は自分がつらい状況でも他人優先で世話をするところです。
⇒自分の事が上手くいってないのに他人優先というのは、聞こえはいいですが実際は自己陶酔と思われる傾向にあります。
『おせっかい』を長所として強調したいあまりに、自分の事を置いといて、という話をしてしまいがちです。
しかし、他の人からすると『自分の事をほっといて他人を助ける、そんな自分に酔っている』と思ってしまいます。
何故かと言うと、おせっかいではない人からすると、自分の事が上手くいってないのに他人を優先する行動は理解できない行動なので、偏見をされてしまうからです。
また、『自分の事は置いといて』というのは仕事の際に、自分の仕事を終わってないのに他人の仕事を手伝いに行ってしまい、結局他人に迷惑をかける可能性もあります。
こういった理由で人事部の方から悪いイメージを持たれてしまうこともあるので、気を付けましょう。
しっかりと自分の事が出来たうえで、他人を助けていることをアピールすると良い印象を与えられます。
➁相手のことを考えていない『おせっかい』で短所に聞こえてしまう
Q.あなたのおせっかいで、相手はどうなりましたか?
A.おせっかいした後にどうなったかは把握してないです。
⇒最終的に他人のためになる行動をしているとは言えない。かえって相手の邪魔になってるかもしれない。
おせっかいを長所としてアピールするのであれば、それは他人のためになっていることを伝えないといけません。
- ただ他人におせっかいをかけて、結果として良い方向に向かっていない
- あるいは良い方向に向かっているか気にかけていない
こういった人は「①自己犠牲を伴う『おせっかい』をアピールしてしまう」でも言ったように、『他人に世話をする自分の事が好き』だと思われてしまいます。
- おせっかいを受けた相手にとって良い方向に動いた
- あなたのおせっかいで相手や周りの人から感謝をされた
こういったエピソードを話すようにしましょう!
③『おせっかい』をする理由が明確に話せない
Q.『どうして、あなたは他人におせっかいするのですか?』
A.『何でかは分からないのですが、放っておけなくなるからです』
⇒理由を言わない利他主義は逆に怪しまれます。
他人のために動く、他人に優しくする、こういったことは素晴らしいです。
しかし、必ずしも他人に良い印象を与えられるとは限りません。特にあなたのことをあまり知らない人に対して向けるおせっかいや優しさは怪しまれてしまいます。
それはあなたのことを知らない面接官や人事部の方に、おせっかいをアピールする場合でも同じです。
例えば、子供を誘拐しようとする人が何の関わりもない子供に、最初はお菓子を与えて優しい人だと印象付ける手口をよく使います。
このような手口で油断させて騙してくるので、知らない人からは優しくされても、後で痛い目を見るのでついて行かないように教わります。
この例のように、理由なき優しさは「何か裏にたくらみがあるのではないか?」と思われてしまいます。
おせっかいも全く同じで、理由がはっきりと説明できない場合は、「裏に何かあるのではないか?」と思われてしまいます。
- どうして他人におせっかいをするのか?
- どうして他人に喜んでもらいたいのか?
これらの理由をしっかり用意して説明出来るようにしておきましょう。
【例文あり】『おせっかい』を長所にする時のOKな答え方・言い方
では次に、『おせっかい』を長所としてアピールする時に、どうやって伝えたら良い印象を与えられるのか?を見ていきましょう!
『おせっかい』をアピールするうえで大事なことは主に以下の3つになります。
- 自己満足になっておらず、他人のためになっていること
- どうして『おせっかい』を長所と考えているのか?を説明すること
- 『おせっかい』をどのように仕事に活かしていくのを伝えること
以上の3つは含めるようにしましょう。
『おせっかい』はそのまま伝えると、あまり良いイメージを持たれません。
しかし、以上の3つを盛り込むことで『おせっかい』がしっかりと人の役に立ち、仕事でも活かせる長所だと面接官に思わせることが出来ます。
➀~➂の詳細を説明していきますので、しっかりと確認してくださいね。
【『おせっかい』をアピールするときに意識すべきポイント】
➀自己満足になっておらず、他人のためになっていること
あなたのおせっかいによって、相手にとって良い方向へ向かっていることを伝える必要があります。
相手方が望んでいることでなければ、あなたが優しさで助けたつもりでも、かえって迷惑になってしまっているかもしれません。
特に就活の場では、『おせっかい』についてのエピソードをあなたの視点で、その場にいなかった面接官や人事部の方に伝えることになります。
そのため『おせっかい』が余計なお世話に聞こえてしまう可能性は高くなります。
あなたのおせっかいによって、相手が望む方向へ進んだこと、相手から感謝されたことなどを話の中に含めるようにしましょう。
そうすれば、客観性のある話にもなりますので、人事の方にも好印象を持ってもらえるようになります。
➁どうして『おせっかい』を長所と考えているのか?を説明すること
『おせっかい』とは一般的にはマイナスな印象を持たれる言葉です。
そのため、『おせっかい』をどうして長所としてアピールしようと思ったのかを聞かれてしまう可能性が高いです。
後に聞かれてしまうのならば、予め用意して自分から話してしまうのが良いです。
『おせっかいは一般的には良い印象を持たれませんが、いち早く困っている人を見つけて助けることは、たくさんの人と関わっていく社会生活において必要なことだと考えています』
このような理由を伝えられるようにしましょう。
もしくは、次のような話も出来ます。
『おせっかいな性格の人は、周囲が良く見えているので、様々な変化に気づきやすく臨機応変な対応が必要な時に迅速に動くことが出来ます』。
➂『おせっかい』をどうやって仕事に活かしていくのを伝えること
就活の場で長所を聞かれる理由は、あなたを採用した後にどういった働き方をしてくれるのかを見極めるためです。
そのため、『おせっかい』というあなたの長所が仕事において、どう活かせられるのか?を伝える必要があります。
例えば、「自分だけが上手くいっていれば良いということではなく、仕事が終わっていない人に率先して協力して、部署やチーム全体で円滑に仕事が回るようにしていきたい」
こういったアピールをすると良いでしょう。
【全ポイントを含めた『おせっかい』の伝え方の例】
最後に全てのポイントを含めた例文を紹介します。各ポイントの前に番号をつけてありますので確認しながら見ていきましょう。
Q.あなたの長所を教えてください。
A.はい、わたしの長所は『おせっかい』です。身近で困っている友人や知人がいたら積極的に助けに行っています。
具体的なエピソードを上げると、
研修担当でなかったとしても、アルバイトで困っている新人スタッフがいた時に➀自分の仕事をいち早く終わらせて、新人のフォローに入っていました。
新人スタッフがいち早く一人立ちできるように丁寧に仕事を教えたので、その新人スタッフは堂々と1人でも仕事をこなせるようになり、新人スタッフを始めとして店長からも感謝されました。
『おせっかい』と聞くと、一般的には良い印象を持たれませんが、このエピソードのように➁積極的に人を助けることで円滑に事が運ぶこともたくさんあります。
そのような場面で、周囲に気が利いて積極的に動ける『おせっかい』な人は貴重な存在だと思います。
これらの理由から、『おせっかい』が自分の長所だと考えています。
➂おせっかいという長所は仕事においても、チーム単位で仕事を進める上で、全体に気を配りながら進捗が遅い人などを積極的にフォローすることが出来ます。
その結果、円滑にプロジェクトを進められると考えています。
『おせっかい』の長所や弱みを言い換えると良く聞こえる?
これまで『おせっかい』を長所として、そのままアピールする方法を紹介してきましたが、別の言葉で言い換えてアピールする方法もあります。
『おせっかい』はどうしても、それだけ聞くとマイナスイメージですので、先ほどまでに紹介した伝え方が使いにくいと感じたら、言い換えのテクニックで対処しましょう。
具体的な言い換え方法としては、『世話好き』あるいは『周囲に気配りが出来る』といった言い方が出来ます。
以下に例文を載せますので、参考にしてみてください。
【『おせっかい』を言い換えてアピールする際の例文】
「自分の長所は、他人よりも周囲の人に気を配れることです。
誰よりもいち早く困っている人を見つけることが出来て、また必要とあれば助けに行くことです。
この長所を活かしてアルバイトでは、新人スタッフへのフォローをよく任されていました。
新人だけでなく他の学生スタッフにも、忙しくて手が回らない状態の時はいち早くフォローしていました。
その実績もありバイトリーダーにも任されました。」
こういった伝え方をすると、同時にリーダーシップなどもアピールすることが出来ますので、人事の方からかなり好印象を持たれます。
落ちる可能性あり!?就活で『おせっかい』を長所や強みにする際に注意すべきポイント
『おせっかい』をアピールする際に注意すべきポイントとしては、短所を聞かれたときに矛盾した回答をしてないようにすることです。
『おせっかい』だけではなく、それと似たような意味を持つ、『優しい』『気配りが出来る』『面倒見が良い』といった性格とも矛盾してはいけません。
また、学生時代に力を入れたことなどのエピソードと被らないようにしましょう。
内容が被ってしまうと、それだけあなたのアピールポイントが減ってしまうことになります。
以下に具体例を挙げますので、しっかりと確認しておきましょう。
Q.あなたの短所を教えてください
A.人に気を使えず無神経な発言をしてしまう時があります
この短所を話してしまうと、あなたの『おせっかい』も相手の事を考えることが出来ていない行動なのではないのか?と疑われてしまいます。
Q.学生時代に力を入れたことは何ですか?
A.バイトリーダーとして後輩の指導を任されたことです
この話では、結局あなたの面倒見の良さ(つまり、おせっかい)が一番のアピールポイントになってしまいます。
しかし、それは長所を話す際にアピールするはずですので、ここでは別のアピールポイントを用意しましょう。
これって本当にわたしの長所?長所について悩んだら読む本
「『おせっかい』を長所としてアピールしてもいいのかどうか?」と疑問に感じたように、他の性格でも、
「これって長所なのかな?」
「アピールしても大丈夫?」
と迷うものは多くあると思います。
長所とは自分の思い過ごしであることも少なくないもので、客観的に判断したくても、友人や家族に聞くのも気恥ずかしいですよね。
そんな人に向けて、長所を見つける方法と長所を活かす方法が書かれた本を紹介します。
『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0 (日本語) 』(古屋博子訳)日本経済新聞出版社です。
この本を読めば、あなたが思っても見なかった長所を見つけられたり、長所だと思っていなかったものが長所だと気づかせてくれることもあります。
この本では膨大なデータベースを用いて、あなたの資質が判断されるので精度が高いです。
ただ本を読んで終わるものでは無くて、あなたの仕事選びや働き方までイメージ出来るものになっているので是非とも参考にしてみてください。
自分で判断するよりも自信を持って、長所をアピール出来るようになり、面接やESの通過率も上がります。