この記事は、不動産売買の営業課に4年勤務、課長の経験がある方に書いてもらった記事になります!
【不動産業界の経験者が語る】就活生が宅建を取得するにはリスクが高い?

宅建とは宅地建物取引士が正式名称となり、不動産の取引を行う際に必要な3つの独占業務を行う事ができる国家資格です。
国家資格の中でも難易度が低い方と言われ、しっかりと勉強をすれば一発合格の可能性がある資格です。
宅建試験の概要はこのようになります。
・合格率は約15~17%
・年齢制限や実務経験などの受験資格がなく、誰もが受ける事ができる
・年に1回、毎年10月に行われ、合否発表は12月
資格を取得した上で面接に臨みたい場合には、大学3年生の10月にある試験が就活前の最後の試験となります。
ここで落ちてしまうと、宅建資格がないまま就活に入ってしまいます。
宅建の資格試験後は、しっかりと就活の準備に充てられるように気持ちの切り替えはできるようにしましょう。
もし宅建資格を取得した場合、就職に有利になる業界として挙げられるのは、不動産業界、建築業界、金融業界です。
これは業務に直結する資格であることから一般的に有利と言われている業界ですね。
宅建は就活で役に立たない!?有利になるために必要なこととは?
宅建は国家資格の中でも複数の業種に活かしやすい資格ですね。
しかし、資格をもっているから就活で必ず有利になるものではありません。
現在、多くの企業で内定者向けの勉強会や入社後のバックアップ体制が整っております。
入社してからでも資格取得は目指すことができるので、就活のために必死に勉強する必要はありません。
資格を持っていないから就活で不利になる事もないのです。
資格勉強に時間を費やすよりも重要とされているのが、自己アピールと企業・業界研究です。
企業・業界の研究や必要とされるスキルは何かを考え、そこにつながる経験を積む方がはるかに就職試験で内定をもらえる確率は高くなるでしょう。
もちろん宅建が業務に直接かかわってくる不動産業界や建築業界、金融業界では完全に役に立たないわけではありません。
金融業界でも、不動産担保ローンや相続による不動産の仕事がある銀行は、宅建が多少のアピールポイントになります。
また、入社後の手当の違いにもつながり、昇進にも大きく関わってきます。
資格を持っていない場合は早めに取得しておきたい資格となります。
宅建の資格は就活前に取るべき?それとも入社後に受けるべき?
不動産業界を強く希望している場合には、時間があれば学生の間に資格を取得してもよいでしょう。
ただし、学生時代の資格取得はペーパー合格が多く、実務と結びつかずに苦労する人もいます。
そのため、業務を理解しながら資格勉強に臨む方が良いケースもあります。
どれほどの期間で資格を取得できたかもわからないため、就職試験では資格の有無はあまり重要視されません。
宅建を活かせる職種や部署につかない限り、資格が無駄になってしまう事も少なくないため、宅建を持っていれば有利とは一概には言えないのです。
例えば、資格を取得せずに入社した場合、勉強と実務の両立は体力面と精神面において大変なものとなります。
ですが、知識と実務が結びつきやすく、知識を吸収しやすく効率よく宅建に受かることができます。
更に、両立させる事で社会人として必要な忍耐力も鍛えられます。
それに対し、資格取得済みの新入社員の場合では、勉強した内容を忘れてしまい、知識と実務がむすびつかずに混乱するかもしれません。
資格を先に取得した事が、実務で足を引っ張る可能性もあるのです。
不動産・金融・建築業界も必見!宅建が就活で有利になるアピール方法
就活にむけてすでに宅建を取得している人の場合、アピールの仕方によっては面接官にマイナスの印象を与えてしまう事があります。
例えば、「不動産の仕事に就きたいと思い、学生時代はとにかく一生懸命勉強をして宅建資格を取得しました。」というアピールでは、資格の勉強ばかりで面接官から印象がほとんどない就活生になってしまいます。
「勉強以外には何をしたのですか。」という質問が来た時に、自分という素材をアピールできる経験や考えを持っていなければ、資格取得がマイナスの印象へと変わってしまうかもしれません。
時間をかけてとった資格が就職の足かせにならない様、資格ではなく、まずは自分の売り込みが最優先となる事を忘れてはいけません。
資格取得をアピールするのであれば、まずは企業と業界の研究をすることが重要です。
そして、その企業で働く時の業務を理解して、以下のようなアピールをすると効果的です。
『希望する企業で自分が働くことをイメージし、お客様と関わる上で何が大切かと考えた結果、お客様への安心感を与えられるよう宅建を取得したいと考えました。
働きだしてからは実務経験を多く積みたかったため、学生のうちに取得できればと受験をしました。』
このような流れであれば、資格取得の目的もしっかりと伝わるため、面接官への印象も良くなるでしょう。
宅建資格が取れたから不動産業界へ就職を考えたという流れにならない様にプレゼンテーションする事が必要となります。
宅建資格を活かした仕事、特に不動産仲介業やハウスメーカーなどのような個人営業は、人とのコミュニケーションなしには考えられません。
コミュニケーション能力が低い人は人間関係や仕事のストレスに耐えきれず、入社後数年内の離職が多いという現実があります。
新入社員を採用するために企業は多くの時間と労力、そして費用をかけています。
せっかく入社してもすぐに離職されては企業としても大きな損失となってしまうのです。
そこで、就活生に求められるのが人間力やメンタルの強さです。
例えば、以下のような例が挙げられます。
・たとえ困難な状況でも自身で考えて行動する力があるか
・一人で解決できない事は他人と協力して柔軟に対応する事ができるか
・失敗しても問題点を見つけてまたチャレンジする意欲を持ち合わせているか
次の3つのポイントをおさえた自己PRをすることが重要となります。
このような事が必要とされています。
・自己分析を踏まえた自分の長所
・長所を感じた状況で問題点と課題に気づきどう行動したか、プロセスと結果のわかるエピソード
・自分の長所を組織の中でどのように活かして活躍をしていきたいのか
学生時代の経験や活動を通して、自身がどのような人間かをアピールできれば、どの企業でも好印象を与える事ができるでしょう。
そこに宅建のような業務に必要とされる資格があれば、プラスの選考材料として有利になる事でしょう。